ヤマボウシの品種その2
今回は農林水産省の品種登録データから。
常緑品種は飛ばして次回以降に紹介します。紅富士とかかなり昔からあるんですね。
”筑波の峰”
いきなり聞いたことすらない品種。実生選抜品種で総苞片が細く剣型の特徴が著しいらしい。まだあるのかわからないが、つくば実験植物園に行けば見られるようだ。緑化木に適していてケヤキのように直立性で箒状の樹形になる。個人的にはミズキ科にありがちな階段状の樹形のほうが好み。
”ホワイトミヌマ”
上記のホームページでは登録者の名前まで表示される個人情報もクソもない場所だが、近年の常緑ヤマボウシの謎横文字シリーズにおいて絶対命名者同じだろうと思っていたことの答え合わせが完了した。
ホワイトミヌマはヤマボウシの半八重咲き品種。野生種の実生から枝変わりで作出されたようだ。ヤマボウシの総苞片の半八重咲性は時々見られる。
”ホワイトキャッチ”
ハナミズキの品種
”ホワイトラブ”
おそらくハナミズキの品種。在来種からの実生選抜と書いてあるがハナミズキの原種からのことだろうか。
”ホワイトミソノ”
ホワイトシリーズはヤマボウシとハナミズキにそれぞれ似たような名前を付けるのはやめてほしい。特徴は大輪性。総苞が大きいだけに見えるので食用としては普通だろうか。
”Blooming White tetra”ブルーミングホワイトテトラ
ホワイトシリーズと登録者が同じという納得の名前。どういう意図でつけたのかの真偽は不明だが咲き誇る4弁の白花みたいな意味だろうか。ヤマボウシの中国名:四照花に非常に似ている名前だと思う。二期咲性で対照品種にホワイトミソノが出されているので大輪性なのだろうか。また落葉性だが常緑ヤマボウシと落葉ヤマボウシとの交配品種らしい。本当なら自分で交配せずとも常緑×落葉の雑種のサンプルがいきなり手に入ってお得だ。葉は落葉より?
”Blooming Pink tetra”ブルーミングピンクテトラ
同じく常緑性×落葉性の二期咲性ヤマボウシらしい。名前の通り花色がピンク色の赤花系。葉が常緑よりな気がしないでもない。
”Blooming Merry tetra”ブルーミングメリーテトラ
常緑性×落葉性の二期咲き性ヤマボウシ。1回目の花は細い総苞片の花が咲き、2回目に咲く花は通常の総苞片の花が咲く謎のヤマボウシ。葉は常緑より。
”KN-30B”
謎。海外品種。ラトガーズ・ニュージャージー州立大学が登録したらしい。
”Pam's Mountain Bouquet”パムズマウンテンブーケ
chinensis系で総苞片が癒着している品種のようだ。ヤマボウシの総苞片は時々癒着しており、昨年購入したビッグアップルも2枚が癒着した花が咲いた。あまりそそられない。
”エンパイア”
謎。テネシー大学研究財団が登録者。
”レッドスティープル”
謎。テネシー大学研究財団が登録者。
”七変化”
斑入り品種。紅葉とともに様々に入る模様の斑の色が変わる様から。
”NCCH1”
謎。The Conard Pyle Companyが登録者。コナード・パイル社はアメリカ、ペンシルバニア州の園芸製品会社。
”SFCG1702”
謎。登録者名に住友緑化林業と(株)角田園という名前が見える。
源平ヤマボウシ
花の色が白から赤(ピンク)に移り変わる。
謎の品種が多すぎるうえに、おそらく食用には役立ちそうにないのだけど偶然にも食用に適した見えない形質が含まれていたらどうしよう。
次回に続く