百度百科

中国のヤマボウシを調べていたらあの百度が運営している中国版Wikipediaのようなサイト『百度百科』に未知のヤマボウシがかなり掲載していたので一部書きだしたいと思います。

リンクは百度百科の四照花属(ヤマボウシ亜属)のものですが、あのBaiduのHPということでおそらく問題ないですが一応注意です。この記事ではCornusではなくDendrobenthamiaで記述します。

baike.baidu.com

 

尖叶四照花 Dendrobenthamia angustata(var.angsutata)

総苞の先が尖る常緑性のヤマボウシ。angustataは北米などで栽培されているB.elipticaと同じものらしい。栽培されている最も有名なものは園芸品種のB.angustata”Empress of China”。

angustataは細長いという意味で、当初この種の特徴は細長い葉を持っていることかと思っていたが、どうやらこの種の特徴は尖った総苞を持つことのようだ。尖(尖る)叶(葉のようなもの=総苞)四照花(ヤマボウシ)という意味だ。

記載されていることが事実かどうかは不明だが、果実が2.5cm程度になり、記載されているヤマボウシ類の中で最大のようだ。北米での園芸品種があるため、努力すれば輸入など可能かもしれない。

樹高:~15m

分布:陝西省南部、甘粛省南部、浙江省安徽省江西省福建省湖北省湖南省広東省広西チワン族自治区貴州省雲南省など

花数:55~80

花序:8mm(直径)

葉形:卵形で幅9mmから22mm、長さ2.5cmから5cm

果実:2.5cm

変種:绒毛尖叶四照花 var.mollis、武夷四照花 var. wuyishanensis


头状四照花 Dendrobenthamia capitata(var.capitata)

日本でも流通しているいわゆる常緑性のヒマラヤヤマボウシ。”マウンテンムーン”や”金陽”などが日本では園芸品種として流通している。やや黄色みがかった総苞と花数が多いのが特徴。

花数が多く写真等を見ると大きな実ができるように思っていたが1.5~2.4cmとある。花数が多いことは果実の肥大する大きさにはあまり影響がないのかもしれない。一応食用で甘みがあると記載されているが、扁平型の実がなり、形が不揃いなので食味が悪ければリストラ候補かもしれない。日本では耐寒性がやや弱いとあるが何故かー15℃まで耐えられると書いてある。

樹高:3~15m

分布:浙江省南部、湖北省、広西省、四川省貴州省雲南省チベットその他の省に分布。

花数:100以上

花序:1.2cm

葉形:楕円形~披針形で幅2cm~4cm、長さ5,5cm~11cm

果実:1.5cm~2.4cm

変種:峨眉四照花 Dendrobenthamia capitata var. emeiensis

 

秀丽四照花 Dendrobenthamia elegans

まったく聞いたことがない常緑性ヤマボウシ。elegansの意味は美麗な~や立派な~といういみらしいが学名的な意味合いは要検証。中国語の丽は麗の簡体字で日本語だと秀麗なのでラテン語とも意味合いは大体一致しそうだ。四川省では用途は不明だが栽培されているらしい。

特徴は基部が楔形の葉でやや細長い総苞をしている。

樹高:3~8m、最大15m

分布:山西省陝西省甘粛省山東省、江蘇省浙江省安徽省江西省河南省湖南省およびその他の中国の省

花数:45~55

花序:8mm

葉形:楕円形で幅1.8cmから2cm、長さ3.5cmから4cm

果実:1.5cm~1.8cm

 

褐毛四照花 Dendrobenthamia ferruginea

名前の通り若い枝に灰褐色の毛が生える常緑性ヤマボウシ。葉は楔形で先端がやや丸みを帯びていることがある。

樹高:5~15m

分布:主に広東省、広西省、貴州省、および中国の他の省

花数:60~70

花序:11mm

葉形:楔形で幅3.5cm~5.8cm、長さ8cmから13.5cm

果実:1.3cm~1.8cm

変種:江西褐毛四照花 Dendrobenthamia ferruginea var. jiangxiensis、缙云四照花 Dendrobenthamia ferruginea var. jinyunensis

 

大型四照花 Dendrobenthamia gigantea

常緑性で高さが4~5mとあるが名前に反してヤマボウシの中ではかなり小型なのではないだろうか。葉は8.5cm~16cm。花序は他のヤマボウシより大きく直径1.3cm~1.6cmぐらいになるようだ。樹高以外全体的に大ぶりになるようだが、果実は2.4cm程度。2cm強ぐらいがヤマボウシの果実肥大の限界なのかもしれない。

樹高:4~5m

分布:四川省(筠连、叙永、屏山等)、湖南省貴州省雲南省

花数:60以上

花序:1.3~1.6cm

葉形:楔形で8.5cm~16cm

果実:2.4cm

 

香港四照花 Dendrobenthamia hongkongensis

我らが常緑性ヤマボウシホンコンエンシス。割と有名な種類だと思うがなぜか掲載されている写真の種類がめちゃくちゃに見える。日本の落葉性ヤマボウシに比べて果実の甘みが強いのを唯一確認している種類だがなんとこの百科によると果実も最大級。ヒマラヤのほうが大きい気がしていたがここまで調べた範囲では花数と果実の肥大は比例しないようだ。食用に品種改良しよう!なんて息巻いていたがひょっとしたら既にほぼ完成系なのかもしれない。

樹高:5m~15m

花数:50~70

花序:10mm

葉形:楕円形で幅3cm~6.5cm、長さ6.2cm~13cm

果実:2.5cm

 

日本四照花 Dendrobenthamia kousa(var.japonica)

日本にも自生している普通の落葉性ヤマボウシ中国では四照花と呼ばれる。比較用に割愛。

分布:日本、朝鮮半島、中国(河南省山西省陝西省甘粛省

樹高:~9m以上

花数:40~50

花序:8mm~12mm

葉形:卵形~楕円形で幅3.5cm~7cm、長さ5.5cm~12cm

果実:2cm

変種:四照花Dendrobenthamia japonica var. chinensis、

华西四照花Dendrobenthamia japonica var. huaxiensis、白毛四照花Dendrobenthamia japonica var. leucotricha

 

黑毛四照花 Dendrobenthamia melanotricha

日本でもわずかに流通している常緑性ヤマボウシ。販売名はメラノトリカやガビサンエンシスなど。葉脈に黒い毛が生えている。樹高はやや高めだが総苞や葉などは小さめである。

分布:広西チワン族自治区四川省貴州省雲南省およびその他の省

樹高:3~12m

花数:40以上

花序:10mm

葉形:楕円形で幅2.7cm~5cm、長さ6cm~10cm

果実:2cm~2.5cm

 

多脉四照花 Dendrobenthamia multinervosa

葉脈の数が多い落葉性ヤマボウシ。脉は脈と同じ意味でmultinervosaも葉脈の多い~という意味。何故か掲載されている写真がメキシコハナミズキのもので詳細は不明。花数が少なめだが球形に肥大できるのだろうか。

分布:四川西部から南西部、雲南省東部、北東部

樹高:4~8m、最大15m

花数:27~40

花序:10mm

葉形:長円形~楕円形で幅3cm~6cm、長さ6cm~13cm

果実:1.2cm~1.6cm

 

 

东京四照花 Dendrobenthamia tonkinensis

常緑性ヤマボウシ。情報が少なく掲載されている写真もスケッチと標本しかない。スケッチから読み解くと花芽が落葉性ヤマボウシのように芽鱗に包まれているようだ。詳細不明。

分布:四川省、広西省、貴州省雲南省、およびベトナムにも分布。

樹高:4~15m

花数:40~50

花序:8mm

葉形:披針形~楕円形で幅1.7cm~6cm、長さ4.5~13cm

果実:1.5cm~2cm

 

 

 

全体的に不明な点が多すぎる点とその割に詳細な形態などが書いてあって真偽が疑われる点が多すぎるので正しい情報ではないかもしれません。しかし、書き出してみて比較できた正解は以外と近いところにあるのではないかというのが今回の感想です。

 

次回に続く