ヤマボウシの品種

品種改良において親となる材料を集めることが工程の80%を占めるとかどこかのサイトに書いてあったので主な品種の特徴をまとめておきたい。

英版wikipediaに簡易表があったので参考にしたい。

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英版wikipediaより

 

”紅富士” 花色:赤

日本で作出された品種で赤花品種。偶発実生から出たものを育種したらしい。

食用価値は不明。

 

”Elizabeth Lustgarten” 花色:おそらく白

海外の品種。日本で品種として販売されているのは見たことがない。Lustgartenというのはドイツ語だろうか。日本語に訳すなら”女王の楽園”とかかな。枝垂れ性がある品種のようだが普通のシダレヤマボウシとどう違うのだろう。枝垂れ性は取り回しが良さそうな気がするがどうだろう。

 

””ゴールドスター” 花色:白

斑入り品種。中央に大きめの黄斑が入る。

食用価値は不明。

 

”Little Beauty” 花色:おそらく白

海外品種。おそらく矮性品種で15フィート(4.5m)以上にならないらしい。ヤマボウシは元々環境がそろえば10mぐらいにはなるらしいので、なぜ狭くるしい日本の庭向けに流通していないのか不思議だ。名前を変えて存在しているのだろうか。剪定によって樹形は調整すればいいが、もし日本に矮性品種があれば非常に使いやすいかもしれない。

 

ミルキーウェイ” 花色:白

ホームセンターなどでも頻繁に見かける品種。花序が高く、ミルキーウェイ(天の川)のように多くの花が連なって見える。通常のヤマボウシ(Cornus kousa)の亜種(cornus kousa var.chinensis)。chinensisが示す通り中国原産のヤマボウシから”ミルキーウェイ”として品種化されたようだ。通常のchinensisとの違いは不明だが、chinensisは多花性が強いようでその特性を強化したものだろうか。ミルキーウェイの実生を育ててみればわかるかもしれない。

 

”サトミ” 花色:赤

赤花品種。ヤマボウシの赤花品種は少ないので非常に人気が高いが食用としての価値は不明。ヤマボウシは南北で総苞片の形が丸型と剣型に分かれるが、”サトミ”と”紅富士”は同じ赤花品種でも北方丸形のサトミと南方剣型の紅富士で差があるようだ。南北で味の差はないのだろうか・・・。

 

”snow boy” 花色:おそらく白

海外品種。斑入り品種で縁全体と中央に飛沫状に斑が入るらしい。日本で販売されているのは見たことがない。成長が遅く直射日光に弱いようだ。

食用価値は不明。

 

”temple jewel” 花色:白

緑の葉に黄斑と白斑がまばらに入る品種らしい。成木になるにつれ、斑は消えていく。

食用価値は不明。

 

ヴァリエガータ” 花色:白

Variegataは斑入り品種のこと。ランダムな斑が入る。斑入りヤマボウシなどで日本でも販売されていると思う。斑入り品種は成長が遅く、果実への特色は期待できないと思う。

 

”ウルフアイ”

斑入り品種。オオカミの目のように縁が白く斑が入る。この品種もchinensis系らしいがchinensisの特徴をまだ捉えていないため詳細は不明。

 

 

 

 

ひとまず英版wikipediaに載っていた表から品種を羅列してみたが、東アジアの植物にも関わらず海外で流通していると見られる品種が非常に多い。この表以外にも日本で流通しているのでまとめておきたい。

 

次回に続く